気まぐれきりん

不登校の娘(小5)と暮らす、歪な日々を綴るエッセイ的な。

今日の調子→良い、出欠→欠席

コロナ禍で、学校への出欠連絡はアプリで報告することになった。

 

 

不登校児の親としては大変、大変助かる。

 

 

コロナ前は、学校との連絡手段は専ら電話だった。

 

そもそも私は電話が好きじゃぁない。

ドキドキするし。

誰が出るかわからないしさあ、

そもそも休む理由もよくわからない。

 

スマホ握りしめながら、なんて言おうか頭の中でシュミレーションする。

 

「いやだなあ、何で電話しなきゃいけないんだ、、、」

「元気なら学校行ってくれよ、、、」

「それか誰か代わりに電話してくれ、、、」

そう思いながら、毎朝いやいや電話していた。

 

あの頃を想うと、今は学校を休むのも気楽だ。

 

「今日の体調はいかがですか?」

「良い」

 

「今日は出席しますか?」

「欠席」

 

こうして朝のハードルは軽々と乗り越える。

 

 

 

 

娘が学校に行き渋りをし始めたのは小2の時だった。

家を出ようとするとめそめそと泣き始める。

理由は言わない。

 

そもそも保育園の時からいつも泣いてはいた。

難しい子だとは思ってた。

いつか不登校になるんじゃないか、って想像もついてた、けど、、、

 

 

色々手は尽くしてみた、

でも、なかなか「普通に」行けるようにはならなかった。

 

「普通」だったのはいつまでだったんだろう

 

 

あれから3年が経った。

 

最近は、殆ど学校に行っていない。

 

 

それでもいい、元気なら。

そう思える日もある。

心に余裕があるときならね。

 

でも、親だって人間だ。

いつでも心穏やかにいられるわけじゃぁない。

 

 

昼まで寝ていた娘が、挨拶もそこそこに冷蔵庫からヨーグルトを出す。

カツンカツンと容器の底にスプーンを当てながら、あっという間にたいらげる。

偏食の娘は、自分が食べたいものしか食べてくれない。

 

「食欲出てきたからパン食べるわ」

 

そう言ったのを聞いて、つい怒りが噴出して流れ出てしまった。

 

「いつもパンばっかり食べて、そういう食生活してると良くないよ。コメがいいんじゃない、コメが。というかそもそもそんな食生活してて大丈夫なの。自分でちゃんとご飯用意できないんだったら朝ちゃんと起きなさいよ、朝起きてくれればお母さんだってちゃんと料理してるんだからサ。いつまでもダラダラダラダラ寝ちゃってさあ、、、ああもうちゃんとしてよ」

 

 

箸を握りしめながら泣く娘。

 

娘にも自分にも嫌気がさして、私は自分の寝室に引きこもった。

 

 

 

 

アプリでは、「欠席」と報告すればそれで終わる。

 

「欠席」

「欠席」

「欠席」

 

いつも変わらない「欠席」の報告。

でも、その「欠席」を決めるまでには色々な想いとか出来事とかがある。

 

私は電話は嫌いだ。

でも、話さないと伝わらないことも多分あるよなあとも思う。

ニュアンスとか。

 

そうだ、不登校用のボタンがあったらいいんじゃないか?

「今日の体調はいかがですか?」

「良い」

 

「今日は出席しますか?」

「欠席」

 

「理由は?(複数回答可能)」

「なんとなくお腹が痛い」

「なんとなく頭が痛い」

「気分が向かない」

「勉強をしたくない」

「人に会いたくない」

「まだ寝ている」

「わからない」

「その他」

 

みたいに詳細に報告できるボタンがあったりして。

そしたら状況が先生にも伝わって対処のしようもあるんじゃないか、なあんてね。

 

 

3年の間には色々と出来ることはやってみた。

母子登校、

別室登校、

二者面談、

三者面談、

保健室登校

相談室登校、

教育指導センター登校、

精神科への通院、

療育相談、、、、

 

何をやっても一進一退。

それどころか、一歩進んで二歩下がる状態。

 

先生だってお手上げだろう。

 

学校でも病院でも教育指導センターでも、先生たちが言うことはいつも同じ。

「この子のペースに合わせてあげましょう」

 

 

わかります、わかりますとも。

 

でも、親としては静観してばかりもいられないんですよ、ほんと。

行けない本人も辛かろう、

でも、見守る親も辛いんじゃ。

 

 

 

 

 

どうしようもない気持ちを抱えながら、春めいたベランダに腰かけて、

昨日2時間かけて飴色にした玉ねぎの野菜スープをひとり、ずずずっと飲む。

 

 

・・・うまい。

ベジブロスを使ったのも良かった。

次はどんなスープを作ろうか。

 

 

私の心とはウラハラに、風もなく、あたたかい陽気。