気まぐれきりん

不登校の娘(小5)と暮らす、歪な日々を綴るエッセイ的な。

行き場をなくしたお弁当

「明日は学校行く!」

 

なんだか張り切っている日曜の夜。

 

これもまたよくある光景だ。

 

 

「そっか、わかった」

 

 

いつもの調子で受け入れる。

 

 

さて、学校に行くということは、お弁当を作らねばならぬということか。

 

 

冷蔵庫としばし、二人きりの会議。

 

 

そうだ、業務スーパーで買った激安冷凍肉団子がある。

あやつを甘じょっぱいタレで絡めてミートボールっぽくしよう。

これならお弁当用の冷凍食品を買いに行かずに済む。

 

 

 

 

朝、意気揚々とお弁当を作る。

 

 

 

8時、起きてこない

 

まあ、いつもの通りだ。

 

9時、まだ起きない

 

あれ、怪しい感じ?

 

10時、まだ起きない

 

ああ、これはもしや、、、

 

 

10時30分、ぺたぺたと廊下を歩く音がする。

 

「のどが痛い」

 

 

 

おお、そうか、そうか。

 

そのあとに続く言葉は出てこない。

 

 

「のどが痛いということは?休み?」

 

しまった、言ってしまった「休む」のワード。

こちらからは言わないようにしているんだけど。

つい、出来心で。

 

 

「うん、そうするわ」

 

 

 

 

そうして、行き場をなくしたお弁当は、冷蔵庫に帰っていった。

 

 

どことなく寂しそうなお弁当

 

明日はどうかな。

 

明日は明日の風が吹く、よね。